田中
 BCGの弱点を調べた論文。
 BCGは唯一のヒトの結核を予防する認可されたワクチンであるが、大人の肺結核には効果がないなど十分なものではない。また、株が分離されて以来、各国で勝手な継代が繰り返された結果、株間に性質の差が生じはじめている。本論文ではアミノ酸代謝能に着目し調査を行ったところ、BCGはアラニンやセリンの存在下で発育が悪くなることが分かった。よって、アラニン脱水素酵素やセリン脱水素酵素、グルタミン分解酵素に着目して調査を行った。
 結果としては、アラニンやセリンはグルタミン分解酵素など、間接的代謝系を疎外していることが分かった。
 ワクチン効果に関しては、ワクチン株が体内で長く生存できることが大切であるが、体内環境のアラニン濃度を考えると、理論的にはJapan(Tokyo)株以外は体内では生存できない。

チャンラン
 スクレイピーを伝達されたハムスターの筋肉中PrPScに関して調べた論文。
 症状が出る前の骨格筋からも、PrPScは検出された。7つの部位の筋肉を調べたが、舌からがもっとも検出された。また、各部位の乳剤を脳内接種すると、舌が最も高い感染タイターを示した。
 筋肉内でのPrPScの局在は、神経末端の近くに特に多く見られ、中枢から下降性に拡散する仮説が支持された。