ゼミ

野田 カプシド内に核酸分解酵素を発現させることで感染の予防・治療を狙った論文。 レトロウイルスのカプシド内にヌクレアーゼを発現させるようなプラスミドを作り酵母にトランスフェクトすると、酵母のウイルス様粒子の産生を99%程度抑制した。同様の実験を…

中満 プリオン感染のドミナントネガティブ抑制に関した論文。 Q218K多型のマウスプリオン蛋白質は、ヘテロであっても感染を抑制するドミナントネガティブに作用することがわかっている。今回は、可溶性でGPIアンカーを付加しないQ218K形のリコンビナントを大…

チャンラン vCJDの輸血による伝播の危険性に関して疫学的にアプローチした論文と、輸血で感染したかもしれない一例の論文。 これまで、sCJDの血液伝播に関する調査は行われてきており、まだその例は見つかっていない。vCJDでも調査を行った。 その結果、vCJD…

岡田 FIVのRev活性の細胞特異性に関する論文。 FIVのRev蛋白はホスト中でスプライシングを受けていないウイルスRNAを細胞質に輸送させる働きを有する。これはRevがRREという領域に結合することによって起こる。そこで、CAT下流にRREをつけたプラスミドシステ…

山口 キナクリンのプリオン病治療に関する論文。 キナクリン(有機カオチンの一つ)はプリオン病治療薬の可能性がある薬物だが、プリオン病治療においては薬剤が血液脳関門(BBB)をうまく通れるかどうかが重要となる。そこでBBBの性質を有するマウス脳内皮内細…

庄嶋 MLVのエントリーを高感度に検出することができるアッセイの報告。 これまで、ウイルスが細胞中に入っているかどうかを評価するエントリーアッセイには、GFPを入れるなどの間接的で時間がかかり、感度の低い方法しかなかった。今回の論文では、エンベロ…

中満 牛プリオン遺伝子の多型とBSEの感受性を示した論文。 プリオン遺伝子の多型とプリオン病の関連性はヒツジやヒトで明らかにされており、それはアミノ酸変異が3次元構造に影響することによると推定されている。ウシのプリオン遺伝子に関しては、多型部位…

田中 BCGの弱点を調べた論文。 BCGは唯一のヒトの結核を予防する認可されたワクチンであるが、大人の肺結核には効果がないなど十分なものではない。また、株が分離されて以来、各国で勝手な継代が繰り返された結果、株間に性質の差が生じはじめている。本論…

中村 ネココロナウイルス感染症ワクチンに関する論文。 ネココロナウイルス感染症では、ADE(抗体依存生感染増強作用)の問題が大きい。これは抗体と結合したウイルスが細胞に感染すると、抗体と細胞のFcレセプターが結合し、感染を増強してしまうものであり、…

山岸 線虫の蛋白質間の相互作用の網羅的解析(interactome)の論文。 ゲノム、プロテオームの次はインタラクトームということだそうで。酵母で進んでいるinteractomeを、線虫で部分的に行った。線虫は最も小さい多細胞生物であり、しばしば多細胞生物モデルと…

山口 プリオンの株が、アミロイドの構造によって規定されているということを、酵母プリオンを使って確かめた論文。 酵母の表現形である[PSI+]は、SUP35蛋白質がプリオン様に凝集することで伝達される。[PSI+]になるとSUP35が不活化することを利用し、培地上…

草原 ブタの内在性レトロウイルスであるPERVと臓器移植の関係についての論文。 異種間移植などを行う場合、内在性レトロウイルス遺伝子もレシピエントに移ることになる。もしこの内在性レトロウイルス遺伝子からウイルス粒子が生産されると感染の恐れがある…

チャンラン プリオンが局在し、CからScへのコンバージョンの場と考えられているラフトだが、いくつかの型があるのかもしれない。神経細胞のディタージェント耐性フラクションには、少なくとも二つの型があり、片方はPrPCを含み、もう片方は含まない。 田中 B…