庄嶋
 MLVのエントリーを高感度に検出することができるアッセイの報告。
 これまで、ウイルスが細胞中に入っているかどうかを評価するエントリーアッセイには、GFPを入れるなどの間接的で時間がかかり、感度の低い方法しかなかった。今回の論文では、エンベロープ内にルシフェラーゼを発現させる方法の成立を目指した。
いろいろな条件を検索した結果、TMのウイルス側にルシフェラーゼがついたような構造のものを安定して発現させることができるようになった。これが感染すると、細胞内でルシフェラーゼを放出し、細胞内の基質と結合して発光することにより高感度の検出が可能である。 
 で、導入プラスミド濃度とかを細かく振って努力した結果、かなりいい感じのものが出来上がった、ということ。

望月
 ブタのランゲルハンス島を移植することで生まれるPERVに関した論文。
 インスリン欠乏性の疾患では、ブタの膵島を移植する手術が現実的に行われているが、PERVに関しての報告は少ない(唾液、抹消血からは粒子は出ないことは分かっている)。本論文では、SCIDマウスに裸の膵島、マイクロカプセルに封入した膵島、新製品のマクロカプセルに封入した膵島を移植し、ウイルスのDNAとmRNAの存在を検索した。結果、前者二つではある程度のDNAやmRNAが発見されたが、新製品では発見されなかった。
また、SCIDマウスに脾臓を移植して免疫系を回復させたところ、DNAやmRNAの存在率は低下した。
 新製品は有効だ。